黒猫を拾った話

 最近は少し鬱気味で随筆を書く元気もあまりない。
 あまり深刻にならないように山にだけは目標を持って行くように心がけている。山に登っていなかったらやばいかもしれない。

 昨年の9月29日に今も入院中のばあさんが飼っていた黒猫がいなくなり、何となく寂しい思いをしていたことは、黒猫の話に書いた。今でもかわいそうなことをしたと時々思う。そんな昨年の11月14日。この日は日曜でマックスの小屋を始めて分解して洗ってやったり、忙しく働いた。その夜、何となくアイスが食べたくなって近所のマーケットに歩いて買い物に出かけた。

 アイスを買って帰ろうとすると店の出口近くに小学生から中学生と思われる姉妹3人がいて、一番小さな女の子が小さな黒猫を抱っこしている。話を聞くと数日前から小学校の近くをこの黒猫がうろついていて、迷子になっている。家に連れて帰りたいが、自分の家では猫は飼えないので、飼ってくれる人を探していると言う。良く見るとばあさんの可愛がっていた黒猫にどことなく似ている。晩酌で酔っ払っていることもあり、ふらふらとその猫を預かって帰ることになってしまった。

 家に連れて帰ると長男以外は、総すかん状態。嫁さんも娘も猫が大嫌いなのである。自分自身でもいい歳して、衝動的に猫を拾ってくることになるとは思いもしなかった。しかし、何と言われても猫を飼うことにした。

 抱いて家に連れて帰る途中に猫は逃げようとしたりしたが、その晩から寝ている私の胸の上に乗ってきたりして慣れた。物置から猫の砂場を引っ張り出して置いてやると何も教えないのに砂場で上手に用を足した。最初の二日くらいはほとんど何も食べないので、どうしたのかと思っていたが、前足を広げておっぱいを揉む動作をしたのでこいつは赤ちゃんか!と猫用の牛乳を飲ませるとそれから餌も大量に食べるようになった。

 まだ赤ちゃんだと思っていたが、長男が病院に予防接種を受けに連れて行ったら生後1年以上経っていると言われたとのこと。猫のことはよう分からん。
 飼い始めは、私の布団の縁にうずくまって寝ていたが、夜中の2時3時に私を起こしに来たりして睡眠不足。最初は餌を食べなかったのに途中から大食いの癖がついて、1日中餌をくれとねだるようになった。

 写真は拾ってきて1週間頃の写真です。
 胸に白い三日月模様があって中々可愛いです。名前はクーにしました。

 今は、布製の猫の小屋で私と一緒に寝ています。夜、部屋の電気を消すと小屋に入って寝るし、朝、私が目覚めると、私が布団から出るまで枕元で私の顔に顔を近づけてきます。会社から帰ったら玄関まで迎えに来るし。ただ、餌が欲しいだけかもしれませんが。

 子供の頃から犬を飼って、十姉妹(じゅうしまつ)を飼って、リスを飼って。そして歳とっても子供みたいにまだ猫を拾ってくるとは。
 家族の皆さん、御迷惑をお掛けします。

(2011年3月6日 記)

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